伽噺
 ゆるせ ゆるせ 男をゆるせ 
 無情俗気な男をゆるせ 
 人は孤独になるたびに 
 暖簾をくぐる 酒を飲む
 温もりで心の傷をシップする 
 透明無色な自己嫌悪 
 原色のネオンの谷に溶け込めば 
 やがて元気を取り戻す

 ゆるせ ゆるせ 男をゆるせ 
 尊大無礼な男をゆるせ 
 人は戦に敗れるたびに 
 暖簾をくぐる 酒を飲む
 酔い痴れて心の俺に懺悔する 
 傷つき痛んだ船は港で 
 航海の厳しさ思い出しては 
 耐えた涙が錨を伝う

 ゆるせ ゆるせ 男をゆるせ 
 高慢卑劣な男をゆるせ 
 人は恋に破れるたびに 
 暖簾をくぐる 酒を飲む
 色あせた心の隙に花を添う 
 いまごろ森には雲が巻き 
 鎮守の神は眠りにつく頃 
 酒飲む男をゆるされる